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2004-2005正月合宿 越百山
member:晴野或日(記)+ひろぽん
area:中央アルプス 「空木岳」「木曽須原」
ここ2年ほどまともな山行をするのは年末年始だけ、という生活が続いている。だから年末になって急に仕事が忙しくなり、準備をしたりする余裕が結構少ない中でもこの山行だけはぜひ行きたかった。
去年3度目の挑戦でようやく空木岳登頂を果たし、今回目指すのは越百山。中央アルプス真ん中よりやや南に位置するこの山は、7年前の秋に途中でクラブを辞めた牛田の企画で行ったことがある。秋雨前線が停滞しガスに包まれていたその山頂は、ただ穏やかだったという記憶しか残っていない。
出発点は伊那川ダム。3たび空木を目指したのと同じ、おなじみの場所。今回初めて雪山のアプローチにジム男号を使うため、30日夕方に西宮を出発。22時30分中津川でひろぽんを拾い、須原の駅前で車中泊で翌日に臨んだ。
12月31日 曇りのち雪

朝起きると、気温は低いが雪は降っていない。ダムに至る雪道を慎重に運転して、ダム駐車場から歩き出す。雪はくるぶしくらい。歩き出してしばらくすると、左足付け根のスジが痛む。先週のボードの疲れかな。高曇りの中つづら折りの急登を行くと、汗が吹き出す。
その後2つ玉の通過で天気は次第に雪に変わっていき、全国の高速道路を止めたドカ雪が始まった。つづら折りを越え尾根を登高するうち、雪も深くなりスノーシュー・ワカンを着けてラッセル。
笹の葉が雪の重みでみな頭を垂れている。中には既に半分積雪に埋もれているのもある。まだ出ている葉は、この冬もう一度頭を上げるのだろうかそれともそのまま垂れたまま雪に埋もれて春を待つのだろうか、そんなことを考えつつひたすら足を雪面に蹴り込む。

越百小屋のあたりまで来ると、強烈な吹雪になる。今日の天場を探しつつ行く。小屋手前に大木が風から守ってくれる良いところがあり、そこをキープしつつ小屋まで進む。小屋は営業しているらしいが、避難小屋が解放されているのかいないのかいまいち状況がよくわからず、引き返してさっきのところに天張ることにする。
斜面の雪を崩して土木工事。平らななかなか良いサイトが張れた。さっさと潜り込んで吹雪に冷えた体を暖める。汗をかいて後風と雪だったためかザックもヤッケも猛烈に凍り付いていて、たわしでもとれずテントの中は結構ぬれてしまった。
バター醤油味の年越しそば(意外とうまい)を食べている間、数人が小屋へ向かっていったが、その人たちの情報によると、小屋は営業ではないが管理人がいて飯もあるとのこと(詳しくはわからないので実際行かれる方は問い合わせをしてください)。
天気予報は冬型、さらにこの冬一番の寒気を報じている。あちこちの高速道路が止まり、わりと下界は大変なことになっているようだ。しかしここは中央アルプス南部、冬型でも風はあるだろうが、降雪は少ないかもしれない。起きてみて翌日のことは考えよう。
1月1日 高曇り時々晴のち雪
寒い。さすがこの冬一番の寒気。しかし、みそバター味の雑煮(うまいがちょっとみそが多すぎた)を食べ終わる頃、風はだいぶ収まり雪も止んだようだった。一瞬の好天を逃してはならじとあたりはまだ真っ暗な6時にテントを出る。この時間なら頂上を往復して下まで下りておつりが来る。
昨日のトレースはもうほとんど雪に埋もれてしまい、木の疎らな所をヘッドランプをたよりにラッセルしていく。僕はスノーシュー、ひろぽんはワカンなので、ラッセルは可能な限り僕が前に出る。全く足跡がない中一歩一歩進んでいくのは快感である。高木が少なくなってくるとさすがに風が強まり、目出帽にゴーグルというスタイルに変える。
あたりは中アでは見たこともない凍り付いた枝やモンスター。一面灰色一色の世界で僕の黄色と緑のヤッケも灰色に溶けてしまっている。
昨日気になった左足の付け根も調子が良いようで、膝くらいのラッセルをガシガシ進める。
ピークまであと500mほどになったころ、稜線の向こうから太陽が昇ってきた。あたりはガスに覆われていて太陽そのものの姿は見られないが、その強い光はガスを突き破り、はるか1億5000万キロのかなたからしっかりと僕たちの網膜に届いていた。

ドカ雪の後のため、森林限界上もクラスト具合はそれほどでもなく、爪付きのスノーシューで突き崩せば、ワカンでも充分通過できた。
登りきってみれば気合いのラッセルわずか2時間での登頂。トレースもなくドカ雪のあと充実の登山だった。


ガスは晴れるようで晴れない微妙な天気だったので、テルモスを飲んで写真を撮って下りにかかる。しばらく下るとガスがかなり取れ、仙涯嶺から南駒そして空木にかけての中ア主稜線がくっきりと姿を見せた。


テントを畳んで後は駐車場めがけて下るのみ、と少し気分が緩んだところで、再び左足の付け根が痛みだした。おそらくアドレナリンばんばんであまり何も感じなかったピークアタックのラッセルで酷使しすぎたのだろう。まあ、下るだけなのでひろぽんに多めに荷物を持ってもらい、のんびり歩く。大量降雪後のスノーシューの下りは疑似テレマークのようになって面白い。と言ってる間に高度が下がり、林道に出、駐車場に着いた。駐車場に着く頃にはまた天候は悪化して雪が降り始めていたので、ピークアタックから下山のタイミングは実に運が良かった。

ジム男号には大量の積雪があり、林道の下りもびっしり雪道で結構緊張しつつ国道まで出て、フォレスパ木曽でひとっ風呂+打ち上げの食事をして帰りました。中津川でひろぽんを落とした後は一路高速の旅。5時間弱で西宮に帰り着きましたとさ。結構近いなあ。
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