3月2日(土)
2週間ほど前、jac主催のクライミング集会に参加した折り、打ち上げで酔った勢いで同い年の中魚とどこか山スキーに行こうということになった。頸城周辺、ということだけ決めていたが、具体的に火打越え〜焼北と決まったのは出発2日前。
妙高方面へ行くスキーバスに乗ったのは、えもいえぬ偶然の賜物だったのだ。サークルや友達同士スキーに向かうバスの中は興奮が渦巻き、初めて共に山に向かう上翌日からの少しシビアな山行に緊張する二人は、いささか場違いな存在だった。
3月3日(日)
杉野原〜三田原山〜黒沢池〜高谷池ヒュッテ
妙高国際スキー場のスキーセンターで装備をととのえ、ゴンドラとリフトを乗り継いでゲレンデトップに立つ。シールを貼って登高開始。ボーダーが数人と単独のスキーヤーがちらほら登っている。いずれも三田原南面の岳樺林を狙うようだ。
三田原山をすぎ、最初の尾根から黒沢池へ滑り込む。出発間際まで雪が降っていて、このころから快晴になったので、雪質はやや重いが上々。途中から右手の沢に滑り込み、黒沢池の平原に滑り込んだ。ここで先行するkgwvの面々と出会う。
黒沢岳と茶臼山の鞍部まで登り返すとき、黒沢岳東面に広く急な吹き溜まりバーンを見、一本滑ることに決定。しかし、鞍部で弱層テストをしてみると10cmくらいのところに切っただけで落ちるそうを発見。諦めて登ってきたすこしゆるやかなカリカリの斜面を一本。高谷池ヒュッテに着いてからも、少し上で軽く一本遊ぶ。中魚はシール登高は弱いが、ゲレンデではかなり滑り込んでいただけあってかなりうまい。
小屋にいたkgwvに以前資料をいただいた人がいらっしゃった。世界は狭い。
3月4日(月)高谷池〜火打山〜焼山北面台地〜笹倉温泉
夜にはオリオン座の剣が見えるほどの快晴。剣以外にもあまりにもたくさんの星があり、それがオリオン座だとは少し考えなくては分からないくらいのそら。
天狗の庭の東側を掠め、稜線に上がる。風が冷たい。急な斜面がでると中魚はシールに苦労してスキーを脱いでいるので、火打への最後の登りでは二人してトラーゲン。とたんにアルキニスト中魚のパワー炸裂、下から上まで独りでステップを切り、僕は一度も追いつけなかった。
時間もあるので南東面の無木立バーンを滑る。400mほど滑ってのぼり返す。雪はカリカリで所々わずかだけ粉雪が着いている程度。滑りやすいが疲れる。
いよいよ今回の核心部、火打越えにかかる。新建尾根から空沢尾根に入る。ギャップが沢山あり、雪もガリガリで滑りにくい。横滑りを多用する。内院に滑り込むポイントは1740のある尾根なのだが、どれがそれかよく分からず、適当に行けるところがから行くことにする。強風もあり、筋力のない僕はややばて気味。結局中魚の絶妙のルートファインディングがあたる。強い男だ。
1740の尾根は、すねパウダー。急で木立も少ないので緊張するが美味しくいただく。1740ヲすぎて南の沢に入る。さらに急斜。しかも雪は重い。ジャンプターンでごまかすが、太股の筋肉は限界に達し、力尽きて転倒。ばたん。
内院もカリカリの底ありすねパウダー。ヨーロッパアルプスの氷河の上見たいなシュプールを刻みつつ下る。
次第に斜度は落ち、歩く要素がふえる。賽の河原の横断の登り返しはラッセルになり汗だくになる。キツネが走る。雪崩を起こしつつトラバースすると、前方を雪ウサギが逃げている。
笹倉温泉にゆっくり浸かって、再度雪質天気メンバーに恵まれた喜びをかみしめた。その後、僕は栂池での雪崩講習会に参加するため、大糸線白馬大池の駅で早い眠りについた。